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| 【母乳中に新種の汚染物質PCBに似た臭素系化合物】 | |
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| 毒性が強く地球規模での環境汚染が問題になったポリ塩化ビフェニール(PCB)に構造や毒性がよく似た臭素系化合物が、日本人の母乳中に蓄積していることが摂南大薬学部などのグループによる5日までの分析で判明。都内で開催中のダイオキシン2007国際会議で発表した。 |
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この物質は、国のダイオキシン類対策特別措置法の対象物質コプラナーPCBに含まれる塩素の一部が臭素に置き換わった物質。「塩素・臭素化コプラナーPCB(コプラナーPXB)」と呼ばれ、新たな汚染物質として注目されている。
グループの太田壮一摂南大准教授は「この物質による人体汚染の確認は世界初。世界各地の魚の汚染も確認され、人体汚染は魚を食べることが一因とみられる。今後、人間への影響評価や発生源の解明が急務だ」と指摘している。
グループは、国内の21〜33歳の母親7人の母乳を分析。毒性が最も強いダイオキシンに換算して評価した毒性換算値(TEQ)で、脂肪1グラム当たり0.42〜1.41ピコグラム(ピコは1兆分の1)のコプラナーPXBを検出した。
国内で売られていた世界各国や日本周辺の魚、南極海のミンククジラの肉などにコプラナーPXBが含まれることも判明。地球規模で汚染が進んでいることを示した。
コプラナーPXBはこれまで毒性評価の対象になっていないが、研究グループは、毒性はPCBに匹敵すると考えられると指摘。母乳中の有害物質が乳児に与える影響が過小評価されている可能性があり、PCBなどとともにコプラナーPXBを加えて評価すべきだとしている。
太田准教授は「ごみなどの焼却のほか工場の廃水などが汚染源になっている可能性があるが、その発生源について詳しいことは分かっていない」と話している。
(2007/09/05 10:02) 共同 |
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| 【中国産食品の重金属汚染が深刻】 | |
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中国産 中国の重金属汚染食品に世界が緊張している。
重金属で汚染された中国産食品に対し、米マスコミが警戒を呼びかけた。ウォールストリート・ジャーナル紙は2日(現地時間)、1面と12面の特集で、中国がここ数十年間の産業化により土壌などの環境破壊が進み、多くの食品が最悪の汚染現象を示していると報じ、中国からコメをはじめとした穀物や果物・野菜などが輸入されていることを想起させた。 |
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同紙は今年3月、化学物質で汚染されたペットフードで被害が発生して以来、食品汚染に対する関心が高まり、米食品医薬品局(FDA)は最近、毒性物質が含まれた中国産歯磨き粉を使用しないよう呼びかけたのに続き、先週には中国の養殖水産物に過剰な抗菌剤や添加物が含まれていると警告したと報じた。
中国南部・南寧のある村では、鉛に汚染された大豆や白菜、スイカを数十年間食べ続けた住民らが疲れやすくなり、指が麻痺するなどの障害が頻発している。最近の中国当局の報告書は、この地域で栽培されたコメは、許容値の20倍にも達するカドミウムが検出されたと発表した。
さらに同報告書は、南寧をはじめとする中国の多くの地域では、いわゆる煙突産業の工場が建ち並び、数多くの環境汚染を引き起こしており、ガンなどの致命的な疾病の原因をもたらしていると指摘した。その上、数千に上る鉱山の開発により多くの穴が農地周辺に開けられ、重金属が雨水に洗い流されるのを邪魔していることも土質汚染を加速化させている。
ここで問題になるのは、中国に住む人々だけが汚染された食品の脅威にさらされるのではないという点だ。中国は既に、世界の食品産業で大きな比重を占めている
中国産農産物の米国輸出は、1980年に1億3300万ドル(約162億8000万円)だったのが2006年には22億6000万ドル(約2765億1000万円)へと大幅に増加した。香港と日本の場合、中国産農産物に対し、重金属汚染の有無を体系的に検証した上で輸入しているが、米国は殺虫剤の残留物検査など、極めて基本的な検査だけを行なっているのが実情だ。
FDAのミッシェル・ボルガー氏は「われわれの食卓に上る食品は、既にグローバル化が相当に進んでおり、われわれは外国から入ってくる食品にどのような問題があるか知る必要がある。重金属に汚染された中国産農産物が、米国人の健康にとって大きな脅威という点に注目すべき」と強調した。
中国政府はここ5年間、輸出農産物に対する検査を行なっているが、いまだに多くの限界がある。中国疾病統制センターのチェン・ジュンスィ氏は「当局が精密にチェックするのは非常に難しい」ともらした。
農業経済学者のルーファス・チェイニーは「輸入農産物に対する米国の検査は、日本やドイツに比べ非常に緩やかだ。われわれの健康を単なるくじ引きの幸運にだけ任せている格好」と指摘した。
米国の実情がこのようであるならば、汚染された中国産食品の脅威に既に大きくさらされている韓国は、どのように対処しているのか気がかりなところだ。
NEWSIS/朝鮮日報JNS (2007/07/03 09:18:21) |
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| 【ヒ素汚染深刻 環境エコロジー】 | |
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地層から地下水に アジアに患者70万人
ヒ素による健康被害が、今もアジア各地に広がっている。ヒ素汚染は世界各地にみられるが、地下水への依存度が高いアジアはとりわけ深刻だ。約6千万人が汚染地域に住み、患者は推定70万人に上るとみられる。地層に含まれるヒ素が地下水を汚染するため、安全な水の確保が被害回避の鍵だ。最大規模の汚染地バングラデシュでは、日本のNPOなどの協力で給水施設の建設が進む。 |
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バングラデシュ西部の農村シャムタ。昨年11月、レンジュアラ・ベガムさん(23)は土間でイモのカレーを作っていた。手はごわごわに硬く、黒いぶつぶつだらけ。亡くなった両親と兄2人、姉も同じ症状があった。「原因がわからず不安でたまらなかった」。97年、飲んでいた井戸水から高濃度のヒ素が検出された。村の9割以上の井戸は同国の基準(1g当たり0.05_グラム)を超え、10倍以上の濃度もあった。
同じ井戸を使っていたラシーダ・ベガムさん(40)と子どもたちにも皮膚の異常が。「栄養剤で抵抗力をつけたいが、それには食事を切りつめるしかない」
同村を含むジョソール県は、皮膚や肝臓のがんなどヒ素による健康被害が深刻だ。日本のNPO「アジア砒素ネットワーク(AAN)」の対馬幸枝・ダッカ所長らが、96年から被害の調査活動を続けている。
飲用水の97%を井戸水に依存する。約千万本の井戸の25%がヒ素で汚染され、推定約3千万人がその水を飲むとの報告もあり、安全な水の確保に躍起だ。
対馬さんらは国際協力機構や住民と連携、今年は給水施設約130基を完成させる予定だ。すでにできた約50基と合わせると、4万〜5万人が安全な水を利用できるようになるという。
AANは、71年に宮崎県高千穂町で発覚した土呂久鉱山ヒ素中毒の被害者支援をきっかけに、中国、タイ、ネパール、インド、カンボジアなどのヒ素汚染の実態調査や支援を進める。
水にとけた微量のヒ素をとり続けると、皮膚が黒ずみ、手のひらや足の裏が硬くなる。さらに悪化すれば肝臓や腎臓の機能が低下、死に至ることもある。
AAN副代表の横田漠・宮崎大工学部教授によると、ヒ素汚染はヒマヤラ山系を源とする流域でみられる。ヒ素を含む岩石が風化して川や海の底に堆積、地下水を汚染する。メコン川流域でも汚染は広がる。
中国では、300万人以上が汚染された地下水を飲んでいるとの研究報告がある。AAN・内蒙古研究グループは96年に、内モンゴルの黄河流域の河套平野での活動を開始。15の村で調査した結果、井戸の85%が基準値を超えるヒ素を含み、住民の35%以上が病気になっていた。
AANではこれらの調査結果を基に、バングラデシュにアジアの汚染地が連携できるような「センター」の設立を目指している。
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